CanonのRFマウントにおいて「広角レンズを一本持つならどれ？」と聞かれたとき、私は迷わず RF 16mm F2.8 STM を推します。
その理由はシンプルで、超軽量・コンパクト・高画質・驚きのコスパという4つの武器を兼ね備えているからです。
広角レンズは「難しそう」「高そう」「重そう」というイメージを持たれがちですが、このRF 16mm F2.8 STMは、その常識を大きく覆す存在。
本記事では、このレンズの魅力を掘り下げてご紹介していきます。
RF 16mm F2.8 STMとは
まず特徴を簡単にまとめると、
- 焦点距離：16mm（超広角）
- 開放F値：F2.8
- 重量：約165gの超軽量
- 最短撮影距離：0.13m
- サイズ（最大径×長さ）：約69.2mm × 40.1mm
- 価格はRFレンズの中でもトップクラスの安さ
- APS-C機では約25mm相当の画角になる
つまり、フルサイズなら本格的な超広角表現が楽しめ、APS-Cではスナップ向きの広角レンズとしても使える万能さを持った一本です。
ポケットに収まる超広角
このスペック表の中で、特に注目していただきたいのが、サイズと質量です。
長さはわずか40.1mm、質量は驚異の約165g。これは、一般的なスマートフォンよりも軽量であり、まさに「ポケットに収まる超広角レンズ」と呼ぶにふさわしいサイズ感です。
フルサイズ対応の超広角レンズは、通常、大きく、重く、そして高価なものが多いです。その常識を完全に覆すこのコンパクトさは、写真撮影における機動力を劇的に向上させてくれます。
- カメラバッグの軽量化：重い機材から解放され、フットワークが軽くなります。
- 普段使いのスナップ：ボディに装着したまま、気軽に持ち出せます。
- ジンバル撮影：軽量であるため、スタビライザーとの相性も抜群です。
F2.8という明るさも相まって、このレンズは超広角の世界を非常に身近なものにしてくれたのです。
F2.8の明るさで夜景も室内も安心
軽量レンズはF値が暗い、という常識も覆してしまうのがこのレンズ。
16mmという超広角で F2.8 なら、夜景撮影や暗い室内でも十分に明るく撮れます。
さらに広角は手ブレが目立ちにくく、シャッター速度をある程度落としても安心です。
- 夜の街のスナップ
- 星空と風景の組み合わせ
- 暗めのカフェ室内
- Vlogで暗所から明るい場所への移動
こうした場面でもストレスなく撮影できます。
特にCanonのカメラは高感度耐性が高いため、F2.8との組み合わせで夜でも軽快に撮影できる点は大きな強みです。
APS-Cでも意外と優秀な1本（約25mm相当）
RFマウントのAPS-C機（EOS R50・R10・R7など）で使うと、約25.6mm相当の画角になります。
この焦点距離は、
- 風景
- スナップ
- 旅行
- Vlog
- 室内撮影
と幅広く使える 万能な準広角 になるため、APS-Cユーザーにも大変おすすめです。
「RF-Sレンズだけでは広角が足りない」と感じている方にとって、RF 16mm F2.8 STMは理想の一本と言えます。
RF 16mm F2.8 STMのメリット
コストパフォーマンスの高さ
フルサイズ対応のF2.8超広角レンズとしては、破格の価格設定です。超広角の世界を「試してみたい」という方にとって、これほど手の出しやすい選択肢はありません。
解像性能
このコンパクトさでありながら、中央の解像性能は非常にシャープです。特にF5.6〜F8あたりまで絞り込むと、驚くほど細部までしっかりと描写してくれます。非球面レンズ1枚を含むシンプルな構成が、クリアな画質に貢献しています。
AFのスピードと静音性
STM（ステッピングモーター）は、動作が静かでスムーズ。写真はもちろん、動画撮影時にもストレスを感じさせません。サッと構えてすぐにピントが合うスピードも、スナップシューターにとって重要です。
RF 16mm F2.8 STMのデメリット
もちろん、完璧なレンズというものは存在しません。RF 16mm F2.8 STMにも、その設計上の制約からくる弱点があります。
画質周辺部の描写
超広角かつ小型化を追求した結果、画面の周辺部、特に開放F2.8付近では、やや像の流れや解像度の低下が見られます。
風景撮影などで全体をシャープにしたい場合は、F8まで絞り込むことで、描写は大幅に改善されます。また、パースペクティブを活かした前景強調の構図では、周辺部の描写はあまり気になりません。
ディストーション（歪曲収差）
物理的なサイズと広角を両立させるため、レンズ単体では樽型のディストーションが目立ちます。
EOS Rシリーズのカメラ内、または現像ソフト（Lightroom, Capture Oneなど）で「レンズ補正」を適用することで、この歪曲はほぼ完璧に補正されます。キヤノンは、このレンズを「ソフトウェア補正前提の設計」としており、補正後の画質で評価すべきレンズです。
RF 16mm F2.8 STMはこんな人におすすめ
- 広角レンズを試してみたい初心者
- 旅行に軽いレンズを持って行きたい
- Vlog撮影をしたい
- 夜景や室内の撮影が多い
- スナップ撮影が好き
- コスパの良いRFレンズを探している
- 「とりあえず広角一本」が欲しい
- APS-Cで準広角レンズを追加したい
どれか1つでも当てはまるなら、このレンズはきっとあなたの写真ライフを豊かにしてくれます。
RF 16mm F2.8 STMがあなたのクリエイティビティを解き放つ
RF 16mm F2.8 STMは、単なる「安くて軽い」レンズではありません。
それは、**「超広角という強力な表現ツールを、誰もが気軽に、そして毎日持ち歩けるようにした」**革命的なレンズです。
- これから超広角の世界に足を踏み入れる初心者の方。
- 機材の重さに疲弊し、フットワークを軽くしたいプロやハイアマチュアの方。
- VLOGや手持ちでの動画撮影を主に行うクリエイターの方。
すべての人に、私はこのレンズを自信を持っておすすめします。
このレンズの登場により、「超広角は特別な時に使うもの」という概念は崩れ去りました。あなたの日々のスナップ、旅行、VLOG、そして星空までもが、この小さなレンズ一本で劇的に、そしてダイナミックに変化するでしょう。
あなたのEOS Rシステムに、この魔法のような一本を加えてみませんか？きっと、新たな写真の世界があなたを待っています。
